行政書士の年収は1億?300万?現役が徹底解説

行政書士について

行政書士の年収はどれくらいのものなのか?

1億円を稼ぎ出す人もいるなか、300万にも満たない人もいると言われていますが現実はどうなのでしょう。

今回は現役行政書士がその本音を語ります。

行政書士の年収は200~300万円?

行政書士の多くは個人で独立開業して事務所を持つ方がほとんどです。いきなり補助者を雇う人は少ないと思われるため、売上のほとんどが年収に直結します。

日本行政書士会連合会では定期的に年間売上のアンケート調査を実施しており、これによると平成30年と25年のデータでは年間売上が500万円未満と回答した行政書士が78%もいました。従って、ほとんどの行政書士は年間売上が500万未満ということです。

その他については売上1,000万円未満が約11%、2,000万円未満が約5%となっています。売上が1億円以上と回答したのは0.3%なので1,000人に3人ほどの割合です。

こういった高収入の行政書士を算入してしまうと平均年収が引き上げられてしまうため、行政書士の78%が500万円未満ということですので500万円未満を前提に計算していきたいと思います。

行政書士の78%の売上は500万円未満ですがこれは売上のため、もし売上が499万円だとすると経費を除いた年収は400万円ほどになると思われます。しかし、これも売上が499万円の場合です。売上が400万円、300万円と下がればおのずと年収も下がることになります。売上が500万円未満という行政書士が78%もいるため、そこをもう少し詳しく知りたいところですが残念ながら詳細なデータがないため、売上500万円未満の人たちの内訳がわかりませんが中央値で言うと200~300万円になってきます。

実際のところ年収はどれくらい?

地域性もあるかと思いますが、私が所属している支部でも日本行政書士会連合会のアンケート調査とほぼ同じような感じになると思われます。

まずそもそも全ての行政書士が意欲的に活動しているとは言えない印象です。開業しても実質休業中のような行政書士もいます。

意欲的に活動している方に限って言うと、補助者を多く雇っているような事務所では年間の売上は4,000万円という先生も実際にいらっしゃいますし、ひとりで営業している先生でも年間売上が1,000万円を超えている先生もいます。ただ補助者を雇用して業績を拡大して売上が伸びてもその分人件費がかかり、自分自身の年収は伸びていないという先生もいます。どの分野に特化していくのか、また報酬単価にもよりますが、個人的な意見としてはひとりで営業していく場合は売上1,000万円ほどが人を雇うかどうかの分岐点になってくると思います。それ以上だとひとりでは大変になってくるでしょう。そのため、ひとりの方が気楽でいいという人は最高でも年収1,000万円くらいが目安となってくると考えられます。補助者を雇用した場合、人件費がかかるため一時的に自分の年収は下がる可能性がありますが依頼数を多くこなせるようになれば、さらなる売上アップが望めます。

このように行政書士はどこの位置を目指すかで年収が大きく変わってくる業種です。意欲的に活動している行政書士に限って言うとベテランの行政書士になると年収800万円以上、中堅行政書士だと600~800万円、新人行政書士だと0~400万円くらいが目安となりそうです。

年収の現実と本音

前述したように行政書士の年間売上は500万円未満である人がほとんどです。年間売上500万円未満の行政書士に限ると年収の中央値は200~300万円ほどになってくるのですが、実際にこの年収を得ている行政書士が多いのかというとそうとも言い切れません。例えば、売上が100万円の行政書士が9人、1,100万円の行政書士が1人の場合、2,000万円÷10人=200万円 で平均売上は200万円となります。しかし実際には売上100万円の行政書士が一番多いわけですから中央値が重要になってくるのです。年間売上が500万円未満といっても100万円の行政書士もいるわけで年間売上500万円未満の内訳がわからないと正確な年収の中央値も計算できません。

そこで私の経験やまわりの行政書士から聞いた話から色々と推測していきたいと思います。当たり前と言えば当たり前なのですが私の印象では事務所経営が軌道に乗るかどうかがひとつの分岐点となります。事務所経営が軌道に乗ると年間売上500万円前後はいけると思います。しかし軌道に乗せられないと年間売上100万円にも満たないという状況も十分にあり得ることで、本音で言うとそういった行政書士も現実には数多くいると思われます。特に開業したばかりの新人行政書士はどうやって新規の顧客を獲得していくかが死活問題で、最初の売上は厳しいでしょう。その期間をどうやって切り抜け、売上を伸ばしていくかが重要になってきます。行政書士になれば仕事があるわけではなく、自然と売上が伸びていくわけでもありません。そのため、年間売上が0~500万円の間にバランス良くばらけているのではなく、売上が0~100万円の新人行政書士や意欲的に活動していない行政書士とそこから脱出した500万円前後の行政書士と両極端になっている感じがします。従って、不正確ではありながらも中央値を200~300万円としていますが実際には0~100万円という行政書士も数多くいると思われます。

厳しい世界はどこも同じ

なんだか暗い話になってしまいましたが、こういった厳しい現実は行政書士に限った話ではないと思います。

例えば、飲食店を開業してもそのほとんどが廃業していきます。なんとか生き残ったお店も何年かすると廃業していきます。そうやってどんどん淘汰されていき、何年も続けられるお店というのはほんの一握りと言われています。

ただ行政書士で言うと、どんどんと淘汰されていくというよりは開業してなんとか事務所経営を軌道に乗せた行政書士がそのまま行き残っていく感じがします。つまり最初の事務所運営が重要になってくるということです。逆にそこさえ乗り切ってしまえば、あとは安泰と言えるかもしれません。

そのため開業したらどうやって顧客を得ていくかの戦略を十分に練っておくことが重要です。また行政書士の面白いところは法改正や時代のニーズに合わせて新しい業務が生まれることです。ベテラン行政書士は既存の業務には強いですが新しい業務には消極的です。そのため新人行政書士でもそういった新しいニーズをいち早く掴み業務に繋げていければ十分にチャンスがあります。

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