今回は行政書士試験の難易度について解説していきます。
合格率とその推移から、また他試験とのランキング比較によって検証していきます。
さらに目安となる勉強時間についてもご紹介しますので参考にしてみてください。
合格率とその推移
行政書士試験の合格率はおおよそ10%前後を推移しています。
【過去10年間の合格率】
年度 | 合格率 |
平成22年度(2010年度) | 6.60% |
平成23年度(2011年度) | 8.05% |
平成24年度(2012年度) | 9.19% |
平成25年度(2013年度) | 10.10% |
平成26年度(2014年度) | 8.27% |
平成27年度(2015年度) | 13.12% |
平成28年度(2016年度) | 9.95% |
平成29年度(2017年度) | 15.72% |
平成30年度(2018年度) | 12.70% |
令和元年度(2019年度) | 11.47% |
平均 | 10.50% |
100人中10人ほどの合格率なので、トップ10しか合格できないということになります。これを合格率が高いと捉えるのか低いと捉えるのかは人それぞれですが、一般的には高いとは言えないのではないでしょうか。
しかし以前の合格率は一桁台が続いていたのですが、最近では10%を超えることが珍しくありません。このことから難易度が下がっているとも言えます。
合格率が低い理由
行政書士試験の合格率は10%前後と決して高いものではありません。合格率が低い理由は単純に言えば難易度が高いからでしょう。
行政書士試験は他の士業の試験と比較すれば難易度は低いです。とは言え誰でも合格できる内容でもありません。
また試験監督員をした印象ですが、受験を途中で放棄している方も見られます。色々な事情があるでしょうが、行政書士試験は時間との勝負でもあるので途中で放棄したらまず受からないでしょう。
こういった受験生が見られるのは行政書士試験に受験資格がないからという理由も考えられます。受験資格がないため、法学部の学生が記念受験したり、難易度が低いと言われているから取り敢えず受験してみようという方もいます。つまり本気で挑んでいない方も含まれるため、合格率が低いとも考えられます。
行政書士試験の難易度をランキングで比較すると?
行政書士試験以外にも法律系資格試験があります。
例えば、司法試験や司法書士試験など。これらの難易度をランキングにしてみました。
資格名 | 難易度 |
司法試験 | |
司法書士 | |
税理士 | |
社会保険労務士 | |
行政書士 | |
宅建 |
多少の誤差はあるかもしれませんが、一般的に言われている難易度から考慮するとこういったランキングの並びになるかと思います。
一番の難易度を誇るのは最難関の資格試験とも言われる司法試験です。次いで司法書士試験。司法書士試験は合格率が3~4%ということからその難易度が伺えます。税理士試験は5科目それぞれで6割得点しなければならず、科目ごとの合格率も10~15%ほど。一度合格した科目は免除されるので長期的に受験に挑む方が多いです。社会保険労務士は行政書士試験と同等レベルと言われることが多いですが、社会保険労務士は行政書士と違い、受験資格が存在します。その点から考慮すると社会保険労務士試験の方が若干難易度が高いと思われます。宅建も人気の資格ですが難易度としては行政書士より低いと言われています。問題内容も基礎的なことが問われます。しかし合格率だけ見ると15%前後と決して高くないのが現状です。
必要な勉強時間の平均は?
行政書士試験に合格するために必要な勉強時間は平均すると800~1,000時間ほどです。これは各予備校や通信講座が受験生に対して調査したデータを私が平均したものです。
行政書士試験の勉強期間は6か月~1年間という受験生が多いため、それくらいの期間での勉強時間です。仮に1年間の期間だとして1日平均2~3時間ということになります。
しかしこの勉強時間はあくまでも目安で、合格を確約するものではありません。また仮に受験に失敗し、再度挑戦となればこの勉強時間も当然増えることになります。
ただ、勉強方法にもよりますがこれくらいの勉強時間を費やせば、合格できるかどうかぎりぎりのラインまで学力を持っていくことは可能だと思います。
難易度についてのまとめ
行政書士試験の合格率は10%前後と他の資格試験と比較すれば難易度の低い試験ですが、それでも容易に合格できるものではありません。また他の資格と比較すると宅建よりは難しく、社会保険労務士と同等またはそれよりは易しいと言えるかと思います。
必要な勉強時間は800~1,000時間が目安となり、合格を確約できるものではないですが合格するかしないか、ぎりぎりのラインまで学力を持っていくことは可能であると感じます。しかしながら司法試験受験生でも不合格になっている方がいる実情を踏まえると、生半可な対策では太刀打ちできないと考えた方が良いです。
正しい学習方法と合格への強い気持ちが必要になるでしょう。
これから受験を目指そうと考えている方の参考になれば幸いです。
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